いわゆる「ヒストリー」的な説明は他項やオフィシャル・ページなどを御参考いただくとして、ここでは現在のジェラルドの音楽性について私なりに解説してみたいと思います。
ただ、簡単に説明しろ！ということになると・・・難しいです（爆！）　と言ってもここでは簡単に説明しなければなりません（笑）

まず、彼等が演奏しているいわゆる「プログレッシヴ・ロック」と言われているジャンルですが、一口に「プログレッシヴ・ロック」といってもバンド編成、音楽性など、人によって解釈はまちまちです。

現在のジェラルドは、まず有名どころですと「エマーソン・レイク＆パーマ−」に代表されるようなキーボード、ベース、ドラムの3人編成の形態をとっており、これを総称して「キーボード・トリオ」と呼びます。（別にキーボード奏者が3人いるのではありません／笑）

ギター奏者不在・・・普通のロックではありえませんよね？　かなり大きな痛手です。
しかし、今のジェラルドはこれを逆手にとっています。ギターがいなくても、ベース奏者、キーボード奏者が充分すぎるほどギターの代わりを補っているのです。

ベース奏者、長谷川 淳氏の一聴しただけで彼のものと判る驚異のベース・プレイは、骨太なベースラインを確実にキープし、ときにベース・ディストーションを駆使し、リード・ギターのように重厚なメロディーを奏でます。“まさに超絶技巧”。ワンステージに１度は登場する卓越したベース・ソロは必聴の価値あり。次のステージ展開への大きな山場となる重要な役割を担い、バンド内での彼への信頼度の高さがうかがい知れます。

リーダーであり、またコンポーザーでもある、キーボード奏者、永川 敏郎氏の華麗なキーボード・ワークは、オルガンを軸とし、時には激しいオルガン・ソロ、そして、シンセサイザーのピッチ・ベンダー、モジュレーション・ホイール、リボン・コントローラーを多用し、ギターに負けないシンセ・リードの音色でチョーキング効果、ワウ効果やビブラート効果が印象的です。またソロ・バイオリン音色でのプレイはエレクトリック・バイオリン奏者かと間違える程のシミュレーション・テクニックです。
また、ジェラルドの音楽になくてはならない「シーケンサー」ですが、時にはリフ、時にはベーシック・トラック、そしてユニゾンと永川氏のキーボード・ワークに効果的に使用されています。“まさに音の壁”。

そして、プログレッシヴ・ロックと言えば変拍子が多いのが特徴ですが、シーケンス・トラックにも当然変拍子が打ち込まれており、“まさに正確無比”。普通のドラマーですと、同期演奏なんて！ と逃げるところですが、そこへドラム奏者、後藤 マスヒロ氏が、シンコペーションを多用し、音数の多い怒濤のドラミングで敢然と立ち向かいます。ただ音数が多いだけだと、うるさいだけのドラムに終わってしまうところですが、ロート・タムを使用し、メロディックかつ、ダイナミック・レンジの広いドラミングで“まさに歌心のあるドラム・ワーク”です。それを援護するキーボード、ベース、“まさに融合の妙”。

・・・と、ここまで書くとさぞメロディーも難解なのでは？　と思いがちですが、メインのメロディーは実にキャッチ−。どのプログレシッヴ・ロックバンドよりも「歌える」メロディーラインなのが特徴なのです。これぞ“まさにジェラルド・サウンド”！

「プログレッシヴ・ロック」というとどうしても一般のリスナーからは敬遠されがちですが、その固定概念をはずして考えてみると、プレーヤー嗜好にもリスナー嗜好にも訴求できる、ジャズやフュージョン系のアーティストとも対等に勝負できる、日本でも数少ない、いや世界でも貴重な「ロック・バンド」であると確信しています。

・・・できるだけ簡単に解説したつもりでしたが、難しいですかね？（笑）

【“まさに”管理人２号 tsuoo】